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TIPS 15
バトルカバレージ④ VS深海の守護者たち

今回のバトルの舞台は塵外じんがい魔境まきょうオブシディアンデザート。照人、オーウェン、クローズ達デバッグチームとNPCによる3on3だ。
照人は鳥デッキ、オーウェンは竜人デッキ、クローズは鉱物デッキ、とデバッグチーム側はそれぞれの個性が出ている一方、NPCたちのデッキはディープセイバーズで統一されている。
熱砂のオブシディアンデザートには似つかわしくないNPCのデッキチョイスだが、これは遭遇した彼らが、本来は大海原に隣接するラピスマーリンズのイベントで遭遇するはずの個体だからだ。何故彼らがここにいるのか。それは照人たちの今後の活躍に注目しつつぜひ本編を追っていただきたい。

では、早速バトルの様子を見ていこう……と言いたいところだが、最初に記した通り今回は3on3。3組のバトルをすべてカバレージに残すのは非常に難しい。そのため、今回は拮抗したクローズのバトルをピックアップしていこう。
ではそれぞれのデッキの紹介だ。

クローズの使う鉱物デッキ

まずはクローズの使う鉱物デッキ。進化元を破棄することで発揮する効果と、破棄されることで発揮する進化元効果。そして破棄した進化元をトラッシュから充填するカードにより、何度でも強力な効果を発揮するデジモンたちで構成されたデッキだ。

深海の守護者、ディープセイバーズ

そして対峙するNPCが繰り出すのは深海の守護者、ディープセイバーズ。
青が得意とするバウンスや進化元からの展開といった特徴は前回のカバレージで紹介した竜晶宮と同じだが、紫や黄色、黒といった他の色の特徴も備えているのは明確に違うポイントだろう。

奇しくもどちらも進化元を使うデッキ。しかし一方は破棄、一方は展開と、使い方はまるで違う。一体この勝負どちらが勝つことになるのだろうか。ではこれからバトルの様子を見ていこう。

今回のカバレージは照人とオーウェンがゲームに勝利した後、クローズのバトル中盤からの解説となる。その際の盤面の様子がこれだ。

クローズのバトル中盤

クローズ側はセキュリティが残り2枚。バトルエリアにはテイマーカードが2枚、育成エリアにはLv.5のプロガノモン。

NPCはまだセキュリティが5枚ある状態

一方、NPCはまだセキュリティが5枚ある状態。バトルエリアにはLv.4のルカモン、そして育成エリアにはLv.6のプレシオモンが構えている。
盤面、セキュリティ枚数共にクローズが圧倒的に不利。ここからどのように巻き返していくのだろうか。

さてそんなバトルは現在NPCのターン。メモリーは0。
ルカモンがクローズのセキュリティにアタックを仕掛ける。DP7000のゴグマモンとのバトルになるが、進化元にあるガニモンの効果で≪ジャミング≫をもっているため、そのまま突破。クローズのセキュリティは残り1枚まで追いつめられた。
その後、ルカモンが3コストでメガシードラモンに進化。【進化時】の効果で自身をアクティブにして、クローズへターンを渡す。

クローズのターン

クローズのターン。育成フェイズにプロガノモンがバトルエリアへ前進。
メインフェイズにそのままNPCのセキュリティにアタックを仕掛ける。ここでプロガノモンの≪衝突≫が発揮。アクティブのメガシードラモンへブロックを強制する。DPは同じ7000。このままだと相打ちで終わってしまうが、ここでクローズはプロガノモンの持つ≪フラグメント《3》≫を発揮する。

プロガノモン

≪フラグメント《3》≫とは、進化元から指定の枚数を破棄することで消滅を免れる能力だ。クローズは進化元からランドラモン、スナリザモン、ゴロモンを破棄することで、メガシードラモンとのバトルを強引にねじ伏せる。
ここで進化元から破棄されたゴロモンの効果が発揮。メモリーが1増えて4に。更にプロガノモンがバトルで生き残ったため、≪貫通≫によってセキュリティから捲れたDP4000のゲソモンとのバトルになる。
当然、問題なく突破。NPCのセキュリティは残り4枚に。

その後、クローズはメモリーを4支払い、プロガノモンを進化させる。

ピラミディモン

砂塵渦巻くオブシディアンデザートに、砂と鉱物で構築された巨人が顕現した。
――これこそがピラミディモン。デバッグチームがひとり・クローズの駆る、全てを圧倒する超重量要塞。

進化と共に、クローズは場のテイマーカードを2枚レスト。それぞれの効果でピラミディモンの進化元にトラッシュからピラミディモン、スナリザモン、ゴツモン、ゴロモンを進化元の下に入れる。

ピラミディモン

そしてピラミディモンの【進化時】効果で進化元のプロガノモン、ゴツモン、ゴロモンを破棄することでアクティブになり、≪Sアタック+1≫を得る。ゴロモンを破棄したことでメモリーが増え、1に。ピラミディモンの戦闘準備が整った。

ピラミディモンがNPCのセキュリティにアタックを仕掛ける。セキュリティからはDP7000のマリンデビモンとDP8000のホエーモンが捲れるが、巨人の超質量の拳はその程度では砕けない。これでNPCのセキュリティは残り2枚となる。一気にセキュリティの不利を巻き返した。
クローズは更にオプションカード、ゾフルカーブースを2コストで使用。
進化元からスナリザモンを破棄し、≪衝突≫≪貫通≫≪再起動≫、DP+3000、手札デッキに戻らない効果を得る。

ゾフルカーブース

これで青が得意とするバウンス能力を無効化した。
その後メモリーが相手側の1に渡ったことで、【ターン終了時】の効果が解決される。ピラミディモンは自身の効果で進化元の下にピラミディモン、プロガノモン、ゴーレモンを充填。ターンを渡す。

このターン、クローズは不利だった形勢をピラミディモンのパワーで一気に巻き返すことに成功した。ここで注目してほしいのはピラミディモンの進化元の順番だ。

何故進化元効果を持たないピラミディモンを、複数枚進化元に重ねたのか。一見無意味に見えるその行動の答えは、次のNPCのターンに判明することになる。

NPCのターン。メモリーは1でスタート。
育成フェイズでプレシオモンを育成エリアから前進させると、メインフェイズでメモリーを7支払い、メタルシードラモンACEを登場させた。
【登場時】効果で≪退化1≫をピラミディモンに当てると、そのままプレシオモンの【自分のターン効果】でジョグレス進化する。

イージスドラモン

光り輝くゴールドデジゾイドと敵を殲滅する重武装を備えた、起動要塞イージスドラモン。
進化と同時、クローズのセキュリティへとアタックを仕掛ける。

ここで次のタイミングに進行する前に、イージスドラモンの【進化時】効果が解決される。
合計コスト14までデジモンをデッキ下に戻す強力な効果は、先のゾフルカーブースで無効となるが、もうひとつの効果、ジョグレス進化していたときに発揮する能力は解決されてしまう。
イージスドラモンの進化元からメタルシードラモンACEとガニモンが登場し、それぞれの【登場時】効果が解決。メタルシードラモンACEが≪退化1≫を、ガニモンはイージスドラモンに≪ブロッカー≫を付与した。

これでようやく【進化時】に関連した一連の効果処理が終了。次に【アタック時】の処理の解決に移る。

進化元のメガシードラモンの効果で先ほど登場したばかりのガニモンを進化元の下に入れることで、イージスドラモンが起き上がった。これで先に付与した≪ブロッカー≫を有効活用することができる。
一方≪退化1≫を計2回受けたピラミディモンだが……なんとピラミディモンのままである。

ピラミディモン

ここで、メタルシードラモンACEの≪退化1≫を受ける前のピラミディモンの状況を振り返ってみよう。

ピラミディモン

クローズは恐らく事前にディープセイバーズというデッキのことを知っていた。
育成エリアにプレシオモンが構えていることから、メタルシードラモンACE、イージスドラモンが出てくることを想定したはずだ。そしてピラミディモンの進化元に入れる順番を調整し、ゾフルカーブースを使用したのだろう。
相手のデッキから次の手を読み、対策を積み上げる。クローズもまたオーウェンたちと同じく、デバッグチームに名を連ねることのできる優れたテイマーなのだ。

では再びバトルに戻ろう。イージスドラモンの【アタック時】の効果処理が終わり、そのままセキュリティチェックに移行する。バンチョーゴーレモンが捲れるが、イージスドラモンは問題なくそのまま突破。クローズのセキュリティが0枚になり、ターンが渡った。

ラストターン

そして、ラストターン。クローズの静かな、だが確信を持った勝利宣言。

クローズ

メモリーは6。大きなアクションを起こすには十分なメモリー量だが、相手の大型ブロッカーとセキュリティ2枚を捌ききり、どのようにフィニッシュまで持っていくのだろうか。
ここからは更に効果処理が加速する。このカバレージを読んでいる皆様におかれましては、どうかこの先の展開をひとつも見逃さないようにしていただきたい。

メインフェイズ、クローズは2枚目のゾフルカーブースを使用。ピラミディモンの進化元からプロガノモンを破棄し、再び≪衝突≫≪貫通≫≪再起動≫、DP+3000、手札デッキに戻らない効果をピラミディモンに付与する。
そして進化元から破棄されたプロガノモンの進化元効果で、イージスドラモンがプレシオモンへ≪退化≫する。

イージスドラモンがプレシオモンへ≪退化≫する

≪貫通≫≪衝突≫が付与されたことでブロッカー突破の問題は解決。あとはピラミディモンの【アタック時】効果を使用できればよいが、ピラミディモンの進化元の枚数は現在1枚のみ。【アタック時】の効果を使用するには3枚の進化元が必要だ。

ここでクローズは最後のアクションを起こす。ゴツモンを3コストで登場させると、それを0コストでゴツモンX抗体に進化。ゴツモンX抗体は種族に鉱石型を持っているため、これでテイマーカードの効果が使用可能になった。
ゴツモンX抗体の進化元にトラッシュから、プロガノモン2枚とランドラモン、ゴロモンを進化元の下に置く。これにより、ピラミディモンが再び動き出す。砂塵の重量要塞は仲間の鉱物/鉱石型から力を拝領することもできるのだ。

【アタック時】の効果でゴツモンX抗体の進化元からプロガノモン2枚とランドラモンを破棄することで、≪Sアタック+1≫を得てピラミディモンがアクティブに。
その後、破棄されたプロガノモンの進化元効果で、プレシオモンに≪退化1≫を2回あてルカモンまで退化したところに、ランドラモンの進化元効果によってそのまま消滅。更に≪衝突≫でメタルシードラモンACEにブロックを強制した。

砂塵の巨拳が鋼鉄の竜を圧し潰す。≪オーバーフロー≫によりクローズのメモリーが5まで戻る。
まだ効果処理は終わらない。そのまま≪貫通≫でNPCのセキュリティに潜んだシードラモン、プレシオモンをその圧倒的質量ですり潰した。

これにて長かったピラミディモンの一回目のアタックが終了。終わってみればNPCの場にはただ一枚のカードもなく、クローズの場にはアクティブになった砂の巨人。
ラストアタック。人間VSNPCの3on3は、デバッグチーム側の全勝という結末で幕を閉じた。

デバッグチーム側の全勝

異なった進化元の使い方をするデッキ同士の戦いは、いざ終わってみれば、クローズのテイマーとしての地力がNPCを上回ったことによる勝利であった。
相手のデッキに対する知識、それを活かすためのプレイング、そして最後にほんの少しの運が後押しすることで、自分のデッキとデジモン達はどんな相手にも勝利することができるのかもしれない。

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