
TIPS 25
バトルカバレージ⑧ VSガイアモン
今回のバトルは、クールボーイの痕跡を辿ってラピスマリーンズを訪れた姚青嵐と、アンチェインからの刺客・モッキンバーモンが操るNPCの対決だ。
ヤオのデッキは、能力≪デコード≫などによるデジモンの展開、バウンスによる除去と持久力に特化した水棲型デッキ。相手デジモンをデッキ下に沈めながら盤面にデジモンを拡げることで、戦場を支配することを得意としている。

一方、NPCが操るのは異世界のデジモン、“アプモン”たちで構成されたガイアモンデッキだ。
≪リンク≫と〔アプ合体〕により、既存のデジモンカードとは異なる動きで≪退化≫や消滅効果によって、盤面のデジモンに干渉しながら相手を圧倒する。

彼らはリベレイターには存在しなかったカードたちだ。ヤオはそんな未知のデジモンたちを相手にどのように戦ったのか。その様子をこのカバレージで振り返ってみよう。
まずはこれが、我々が観測を開始した時のお互いの盤面だ。

ヤオの盤面には≪デコード≫持ちのLv.5とテイマーカードが1枚。育成エリアにもデジモンがおり、なかなか悪くない状況だ。
一方、NPCの盤面はこうだ。

NPCの育成エリアには、レベル5のグローブモンが待機している。そのため、ヤオのマリンブルモンはグローブモンの【自分のターン】効果で消滅させられる可能性が高い。ヤオはそれを前提にゲームプランを組み立てる必要がある。

残りメモリーは0。ヤオは一体どう動くのか。
ヤオはマリンブルモンをリュウグウモンへ進化。これならDPが上がることでグローブモンの除去の範囲から避けられるうえに、進化元のマリンブルモンも含めて≪デコード≫を2回も使うことができる。
そしてリュウグウモンの【進化時】効果で、進化元からレベル4のシェルモンが登場。シェルモンの【登場時】効果で進化元にサンゴモンが差し込まれる。
そしてヤオの【ターン終了時】に、リュウグウモンの効果によって、シェルモンをデッキ下に送ることで相手のナビモンをデッキ下にひきずり込む。
このシェルモンも≪デコード(特徴「水棲」を含むLv.3)≫を持っているため、バトルエリアを離れる際に、進化元からサンゴモンが登場。ヤオのデジモンの数はそのままだ。
サンゴモンの【登場時】効果で、デッキトップから4コストのテイマーカードとシードラモンがヤオの手札に加わった。
こうして、ターンが終わってみると、ヤオは見た目以上に強固な盤面を作ることに成功していた。非常に良いメモリーの使い方だったと言えるだろう。

そして、メモリー4からはじまったNPCのターン。ここでヤオはアプモンの力を目の当たりにすることとなる。
NPCは育成フェイズでグローブモンをバトルエリアに前進させると、メインフェイズに手札からカリスモンを3コストでグローブモンへ≪リンク≫する。
進化元のスワイプモンの効果を使用し、まずは1ドロー。そしてカリスモンの【リンクDP】が+4000のため、グローブモンの【自分のターン】効果によって、DP14000以下のデジモン……リュウグウモンがグローブモンの放つ光によって、消滅した。
ここで消滅前にリュウグウモンの≪デコード(青Lv.5)≫が発揮し、進化元からマリンブルモンが登場。マリンブルモンの【登場時】効果で進化元にシェルモンを差し込んだ。
想定外の除去に驚くヤオを尻目に、NPCはグローブモンによるセキュリティへのアタックを宣言。≪Sアタック+1≫によるチェックの結果は、シェルモンとサンゴモン。ヤオのセキュリティが残り2枚となる。
これで攻めが止まるアプモンデッキではない。NPCはグローブモンとリンク中のカリスモンによる〔アプ合体〕を宣言する。

赤と銀の極(きわみ)が交わり、金と銀の荘厳な装甲をまとった叡智と創生の神――ガイアモンがデジモンカードにアプリアライズした。

地球の名を冠する神が動く。ガイアモンはまず【進化時】効果で進化元からグローブモンを自身に≪リンク≫。グローブモンの【リンク時】効果によって、マリンブルモンが消滅する。
消滅の直前、マリンブルモンの≪デコード(青Lv.4)≫によって進化元からシェルモンが登場するが、ガイアモンの効果処理はまだ続く。
ガイアモンの【自分のターン】効果により、自身のアクティブと相手セキュリティの破棄が解決。これでヤオのセキュリティは残り1枚になってしまった。
その後、NPCはガイアモンによるセキュリティのアタックを宣言。ガイアモンの【アタック時】効果で今度は進化元のカリスモンを自身に≪リンク≫。
これでガイアモンのDPは21000となり、加えて場から離れない効果も得た。まさに神の名に相応しい効果といえるだろう。
神の一撃によって、めくれるヤオの最後のセキュリティ……それは「ユニークエンブレム:海神の楽園」だ。

このカードの【セキュリティ】効果によって、ヤオは手札からコスト4のテイマーカードを登場。その後、ユニークエンブレムはバトルエリアに置かれた。
NPCはその後、8コストで手札からカリスモンを登場。【登場時】効果でトラッシュからソーシャモンを自身に≪リンク≫。ソーシャモンの【リンク時】効果でサンゴモンを消滅。カリスモンの【自分のターン効果】でシェルモンにアタックを強制する効果を付与して、ターンを渡した。
このターン、NPCはリンクとアプ合体によって、様々な色の特徴を駆使してヤオの盤面に対処、セキュリティが0枚になるまで追いつめた。
高性能のマルチファイター。それがアプモン。従来のデジモンたちとは異なる派生を遂げた異世界からの来訪者たちだ。
だが、ヤオに渡ってきたメモリーは7。逆転の一手を掴むためには、ギリギリなメモリーの量だ。
また、彼女の場には「ユニークエンブレム:海神の楽園」がある。
このカードはセキュリティがチェックされる直前までは、まったく別のカードだった。
クールボーイの残した宝箱の中身に反応して引き起こされたオルタライド。それによって彼女のユニークエンブレムがカード化したものだ。
ユニークエンブレムの【ディレイ】効果はテイマーカードがレストした際、進化コストをマイナス3で進化できる。
メモリー7と新たなカード。そして育成エリアのサンゴモン。
これらの要素を使ってヤオは、どのように異世界の神から勝利をつかみ取るのか。彼女の腕の見せ所だ。
そして始まる、ヤオの逆転のターン。
育成フェイズでサンゴモンを前進させ、メインフェイズ開始時にテイマーカードの効果でメモリーが8になった後、先のターンにカリスモンの効果でアタックを強制されたシェルモンがセキュリティへアタックを仕掛ける。
NPCはそのアタックをカリスモンでブロック。シェルモンは消滅する。ここまでは想定通り。
ヤオはマリンブルモンの{手札}【メイン】効果で、トラッシュのシェルモンをサンゴモンの進化元に置くことにより、コスト3でワープ進化させる。残りメモリーは5。
この際、プヨヨモンの進化元効果の条件を満たしたため、≪1ドロー≫。
その後、ヤオはマリンブルモンでセキュリティへアタック。特徴に水棲を持ったデジモンがアタックした際、4コストのテイマーカードをレストさせ、手札からマリンブルモンの進化元にファンクンモンを入れる。

その進化元効果は、【アタック時】に青の他の自分のデジモン1体を進化元に置くことでアクティブになるというもの。
進化元にこのカードを入れることは、これから連続攻撃を行うという宣言に等しい。
そしてテイマーがレストしたことで、先ほど置かれたユニークエンブレムの【ディレイ】条件が達成。ヤオはその効果解決を高らかに宣言する。
それに呼応するようにマリンブルモンは、彼女の勝利をつかむための新たな切り札へとその姿を変える。
大海を裂いて現れたのは、珊瑚のような桃色の着物、妖精のような姿、巻貝を頭に被った可憐な妖精。一見すると成長期にも見えるその正体は、強大な力を持った究極体。
デジタルワールドの各地に現れ、弱きを癒し、強きを貫く慈愛の化身。
――アリエモンが、相棒と共に異世界の神へと挑む。

波が弾ける。アリエモンの【進化時】効果で進化元から、サンゴモン、シェルモン、マリンブルモンが登場。シェルモンの【登場時】効果で、先ほどマリンブルモンの進化元に置いたものと同じファンクンモンをアリエモンの進化元に置く。これでアリエモンは進化元の効果だけで2回のアクティブが可能になった。
次にアリエモンのもうひとつの【進化時】効果が解決。アリエモンの進化元に、今登場したマリンブルモンを置くことで、カリスモンをデッキの下に戻しながら、自身をアクティブに。
そのままNPCのセキュリティをチェック。チェック結果はDP5000のタイムモン。消滅はしない。で、あればアリエモンとヤオの波濤のような連続攻撃は続く。
次いでサンゴモンを2コストでシードラモンに進化。このシードラモンは≪速攻≫を持っているため、これでアタックが可能になった。
そしてここでヤオのメモリーはちょうど0に。これ以上使えるメモリーはないが、なにも問題はない。あとは怒涛の勢いで攻撃を押し通すのみだ。
シードラモンがセキュリティにアタック。DP10000のグローブモンとのバトルになるが、進化元効果で≪ジャミング≫を持っているため、シードラモンは消滅しない。
ここで再びアリエモンが動く。【アタック時】にファンクンモンの進化元効果で、今アタックしたシードラモンを進化元に入れ、アクティブ。
セキュリティチェックの結果はDP2000のガッチモン。これでNPCのセキュリティは残り2枚に。
【アタック終了時】にマリンブルモンの進化元効果で、アリエモンの進化元からシードラモンが登場。
先にも説明したように、このシードラモンは≪速攻≫持ちだ。二人の攻撃はまだ止まらない!ヤオは間髪入れずにシードラモンでセキュリティへアタック。セキュリティバトルはDP1000のナビモン。無事突破!
アリエモンは止まらない。【アタック時】にもう一枚のファンクンモンの進化元効果でシェルモンを進化元に送り、自身をアクティブに。そのままNPCの最後のセキュリティを貫いた。

そしてセキュリティ0枚になったNPCへ向け、アリエモンの最後の一撃が通り、ヤオの勝利となった。
オルタライドによって得た新たな力と共に、アンチェインの刺客を退けたヤオ。これからのリベレイターの波乱を予感させるようなラピスマリーンズのさざ波と共に、今回のカバレージを終了したいと思う。