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TIPS 26
バトルカバレージ⑨ VSピラミディモン

今回のバトルは城之崎有紗が繰り出すパペット型デッキと、アンチェインに操られたクローズの鉱物型デッキの対決だ。

有紗のパペット型デッキは、横に使い魔トークンやパペット型デジモンを展開することで戦況を有利に進めることの出来るデッキだ。
≪オーバークロック≫による詰めの一撃もある攻撃的なデッキだったが、今回は彼女の姉、城之崎観来のパートナーであるハニモンが有紗のデッキに参加したことで、盤面をコントロールする力も手に入れた。
デジモンカードに関して天才的なセンスを持った有紗だが、姉からもらった“おまじない”と共に預かった新しい力を使いこなすことができるのだろうか。

有紗のデッキ

一方、クローズの鉱物型デッキは進化元を破棄することで強力な効果を発揮するデッキだ。
準備には多少時間は必要だが、超重量級のピラミディモンが一度バトルエリアに君臨してしまえば、≪フラグメント≫による強固な耐性と脅威の連続攻撃で、あっという間に相手プレイヤーをセキュリティごと粉砕してしまうことだろう。

クローズのデッキ

横に展開するパペットの軍勢VS縦に伸びる堅牢な鉱石の巨人。奇しくも真逆の攻撃手段を持つデッキ同士の対決だ。
有紗はこの戦いを制し、アンチェインの魔の手からクローズを取り戻すことができるのだろうか。その様子を振り返ってみよう。

まず、これが有紗の盤面だ。

有紗の盤面

育成エリアにレベル5のシャペロモンを構えながら、バトルエリアにはサンドリモンとトブキャットモンに、テイマーカードが2枚。
テイマーカードのうち1枚は観来のテイマーカードだ。パートナーのハニモンがデッキに入ったことで、使用可能になったのだろう。

サンドリモンの効果で出ているはずの使い魔トークンがいないため、前のターンに≪オーバークロック≫によるセキュリティアタックがあったと考えられる。
このまま有紗の盤面が崩されなければ、一気に勝利することが可能だろう。

一方、これがクローズの盤面だ。

クローズの盤面

バトルエリアには、たった今育成エリアから前進してきた進化元が3枚のプロガノモンにテイマーカード。
――そして、シェイドモン。

シェイドモン

【セキュリティ】効果で登場する能力をもった、種族不明のレベル4デジモン。
岩石型や鉱物型によるシナジーが強力なこのデッキには、本来入らないデジモンだ
恐らくアンチェインによる差し金だろう。クローズの相棒のスナリザモンがバトル中一切反応をしていないのも、このシェイドモンの仕業かもしれない。

クローズのターン、メモリーは4。
トラッシュに岩石型や鉱物型のデジモンが数枚。そして盤面にはプロガノモン。

この盤面を見て、これから何が起こるかを予測できたあなたは、恐らくリベレイター上のどこかでクローズと戦ったことがあるプレイヤーなのだろう。

クローズが動く。
プロガノモンを4コストでピラミディモンへ進化。
その際、テイマーカードをレストさせることで、ピラミディモンの進化元へスナリザモンとランドラモンをチャージ。
これでピラミディモンの進化元は合計6枚。有紗のセキュリティ5枚をブチ割り、ゲームを終わらせるには十分な枚数だ。一方、有紗の盤面に【ブロッカー】の姿はなし。

クローズはゲームエンドのためのアタックを宣言する。

砂の巨体が有紗のセキュリティを全て砕くために動きだす。
ピラミディモンの【アタック時】効果で進化元からプロガノモン、ランドラモン、スナリザモンを破棄することで≪Sアタック+1≫を得てアクティブに。

その際、破棄されたプロガノモンとランドラモンの進化元効果で、サンドリモンがシューシューモンまで退化。その登場コストは4。そこに破棄されたスナリザモンの進化元効果が直撃し、シューシューモンが消滅する。

ピラミディモンの拳が有紗のセキュリティを2枚貫く。セキュリティバトルのために飛び出したシャペロモンやシューシューモンでは、その拳を止めることはできない。
そのまま間を開けずに、クローズによる2度目のアタック宣言。もちろん【アタック時】効果の発揮を宣言。今度はゴロモン、スナリザモン、ランドラモンを破棄することで、再び≪Sアタック+1≫を得てアクティブに。
破棄されたゴロモンの進化元効果でメモリーが+1。このアタックがすべて通ってしまえば、有紗の敗北はここで決定してしまう

ピラミディモンの拳が有紗の残り3枚のセキュリティに迫る。

1枚目、シューモン。突破。

2枚目、シューシューモン。
このシューシューモンは【セキュリティ】効果でバトル終了時に登場する効果持ちだ。
ピラミディモンとのバトル後、バトルエリアに着地したシューシューモンの【登場時】効果で使い魔トークンが登場するが、それでピラミディモンが止まるわけではない。

そして有紗の最後のセキュリティ。見えたのは、オプションカード「ユニークエンブレム:童話の舞踏」

ユニークエンブレム:童話の舞踏

有紗のユニークエンブレムを模したこのカード。ヤオの時と同様に、観来が渡した“おまじない”が有紗のパートナーであるシューモンの気持ちに反応した結果、セキュリティ最後の1枚が変化したカードだ。

【セキュリティ】効果によって、童話の舞踏の【メイン】効果を発揮。
トラッシュからシューモンが登場する。このシューモンの【登場時】は、自分の「パペット型」1体に≪ブロッカー≫を与える能力だ。有紗は生き残っていたトブキャットモンを能力の対象に選択。

ピラミディモン連続攻撃の最後の一撃は、トブキャットモンがその身でブロック。間一髪のところで有紗は生き延びることに成功する。

クローズはその後、7コストを使ってゴグマモンを登場。
自身で≪ブロッカー≫を持ち、【消滅時】にデッキの上3枚から小型の「鉱物型」/「鉱石型 」を登場できる能力を持った守りに秀でたデジモンだ。
これでパペット型が得意とする横展開からの連続攻撃を防ごうという狙いだろう。

クローズのターン

そして、有紗たちは予期していなかったユニークエンブレムの登場に驚いて気付かなかったが、この時クローズ側に異変が起こっていた。

クローズがピラミディモンの【自分のターン終了時】効果による進化元のチャージを使用しなかったのだ。
これではピラミディモンの強みである≪フラグメント≫による耐性を使用できない。その意図は不明だが、もしかするとアンチェインからの洗脳に、クローズ自身が少しでも抗おうとした結果かもしれない。

ともかく、ピラミディモンによる暴風の如き連続攻撃をなんとか凌ぎきった有紗のターンがスタートする。メモリーは6だ。
有紗は育成フェイズでバトルエリアにシャペロモンを移動させると、シューシューモンを3コストでカラクルモンに進化させる。隣にいたシューモンを【進化時】効果で消滅させることで、コストを支払わずにカグヤモンへと進化。

観来の相棒の月の姫が、その妹の有紗を勝利させるために、バトルエリアに君臨した。

カグヤモン

パペット型のデジモンに進化したとき、という条件を満たしたため、有紗は場のテイマーカード2枚の効果の発揮を宣言する。
まずは観来のテイマーカードの【自分のターン】効果。テイマーカードをデッキ下に戻すことで、ハニモンが登場。
続いて、有紗のテイマーカードの【自分のターン】効果により、メモリーが+1される。

そして、テイマーカードがレストしたことで、ユニークエンブレムの【ディレイ】効果を発揮できる条件が達成。シャペロモンが新しい姿に進化する。

中世の騎士の恰好をした小さな猫のような姿は、とある童話に登場した主人想いの猫を想起させる。
だが、この騎士が救うのは主人ではない。有紗という大切な友人を救うために、その剣を振るうのだ。

シューモンの新たな進化の可能性――ニャブートモンが、有紗のパペット軍団の先陣を切る。

ニャブートモン

ニャブートモンの【進化時】効果で手札からシューシューモンが登場。これで有紗の場のデジモンは合計4体。DP-12000の斬撃がゴグマモンの身体を消滅させた。

ゴグマモンの消滅に誘発して、カグヤモンの【お互いのターン】効果が解決。
月の姫の威光によって、クローズに取り付いていたシェイドモンが消滅。
その後、ゴグマモンの【消滅時】が解決し、デッキトップからゴツモンが登場する。

有紗の場に揃った姫と騎士。2体の究極体によって、場の有利不利が一気にひっくり返る。

ここに童話の舞踏の準備は整った。

有紗に残されたメモリーは残りたったの1。
あとは前に、前に、前に突き進むのみ!

まずは初撃。ニャブートモンがハニモンと≪連携≫し、DP15000の2点チェックでアタック。シューモンの進化元効果でDP-2000をゴツモンへ。ゴツモンが消滅。

1枚目、ランドラモン。突破。

2枚目、ピラミディモン。突破。

これでクローズのセキュリティは残り2枚。

ニャブートモンとバトンタッチして、ダンスホールに躍り出たのはカグヤモンだ。
シューシューモンと≪連携≫し、DP17000の2点チェック。

3枚目、ゴツモンX抗体。突破。

4枚目、ゴツモン。突破。

これでクローズを守るセキュリティは0枚。あとはトドメの一撃さえ用意できればいい。
このデッキのトドメの一撃といえば、アレしかない。

ニャブートモン

有紗はシューモンを3コストで登場。クローズ側の2にメモリーが渡り、ターン終了時。

ニャブートモンによる≪オーバークロック≫。
ハニモンを消滅させ、レストせずにアタック。

ハニモンが消滅したときにニャブートモンの【お互いのターン】効果によって、ニャブートモンの【進化時】効果が発揮。有紗の手札からシューシューモンが登場し、ピラミディモンにDP-15000の斬撃が突き刺さる。

崩壊するピラミディモンをバックに、ニャブートモンの秘剣キャット・ザ・ナインライブスがクローズを貫いた。

こうして、パペット軍団VS砂の巨人の勝負は、バトルを最後まで楽しんだ有紗側の勝利となり、クローズはアンチェインの呪縛から解放された。

有紗たち

アンチェインの仕組んだノアプロジェクトはまだ終わっていない。ラクーナは今後どうなってしまうのか、これからのバトルにも注目していこう。

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