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TIPS 27
バトルカバレージ⑩ VSアバドモン

今回のバトルはクローズが操る鉱物型デッキと、アンチェインが繰り出すアバドモンデッキの対戦だ。

クローズの鉱物型デッキは、前回カバレージでもお伝えしたように、進化元を破棄することで強力な効果を発揮する。手札にカードが揃ってしまえば、一気に勝利することが可能なデッキだが、今回に限ってはそう簡単に事は進まないだろう。

クローズ使用デッキ

それはアンチェインの使用するデッキの切り札、アバドモンコアが原因だ。

アンチェイン使用デッキ

アバドモンデッキは、育成エリアのネガ―モンの効果でデジモンを低コストで展開。自身のトラッシュと手札を増やしつつ、アバドモンの効果でトラッシュから育成エリアにアバドモンコアを登場させる。
そしてこのアバドモンコアが相手のアタックに対応して育成エリアから出てくることで、相手の場のデジモンを消滅させつつブロックができる。このアバドモンコアの働きによって、ピラミディモンの最後の一撃は防がれてしまう可能性が高い。
かといってクローズ側がそれを突破しようにも、その時間でアンチェインはクローズのセキュリティをあっという間に削りきれる。それだけの強さと速度を持ったデジモンが、虚無の王アバドモンだ。
デッキ毎に異なる動きをするデジモンカードの中でも、かなり特殊な動きをするアバドモンデッキに対して、クローズはどう対応するのだろうか。

加えて、パートナーのスナリザモンは今アンチェインの手の内にある。そのためクローズはたった一人で、姉であり兄であるアンチェインを倒し、スナリザモンを救いださなければならない。

この戦いの結果がどうなるのか。カバレージと共に振り返ってみよう。

まず、これが数ターン経過した際のクローズの盤面だ。

クローズの盤面

バトルエリアにはテイマーカードが3枚とレスト状態のゴグマモン。残ったセキュリティは2枚。事前準備が必要なデッキのため、その隙にアンチェインがクローズのセキュリティを削ったのだろう。

一方、アンチェイン側はこうなっている。

クローズの盤面

バトルエリアにはレアレアモンとブラック・メモリーブースト!!があり、セキュリティは残り4枚。だがアバドモンデッキのバトルを見る場合、注目すべきはデジタマデッキだろう。今、アンチェインのデジタマデッキの枚数は0枚。これはアンチェインが自分のゲームを有利に進めていることに他ならない。

そして現在はアンチェインのターン。メモリーは4だ。
まずアンチェインはブラック・メモリーブースト!!を≪ディレイ≫。メモリーを6にすると、レアレアモンを3コストでアバドモンへ進化させる。アバドモンの【進化時】効果発揮の条件であるネガ―モンの枚数は……トラッシュと進化元含めて、合計4枚!
【進化時】効果の条件を達成しているため、アンチェインの育成エリアにトラッシュからアバドモンコアが登場。その後、アンチェインはメモリーを3使ってスナリザモンを登場させる。

スナリザモン

このスナリザモン、本来はクローズのスナリザモンだが、アンチェインによってこのデッキで使いやすい過去のカードに差し替えられている。
その効果は【自分のターン】に、黒のDP13000以上の自分のデジモン全てに≪貫通≫を付与する、というもの。

確かにアバドモンデッキとの相性は悪くないが、デッキの動きに必須ではないこのカード。アンチェイン曰く「理由などない」らしいが、クローズを挑発するために入れたことは明らかだ。クローズとスナリザモンを愚弄するようなこの行為、デバッグチーム元特別顧問は、悪趣味で残虐な嗜好の持ち主のようだ。

そのまま、アバドモンのアタックによってクローズのゴグマモンは粉砕。ゴグマモンの【消滅時】効果でクローズのデッキトップ3枚の中から、ランドラモンが登場する。
そして、アンチェインのスナリザモンによって付与された≪貫通≫によるセキュリティチェックが解決する。

ここでセキュリティから出てきたのは、ユニークエンブレム:砂漠の心核。

ユニークエンブレム

オルタライドによって生まれたこのオプションカード。クローズのユニークエンブレムを再現したものだが……ここで不思議なことが起こる。
このカードの【セキュリティ】効果によって、アンチェインの手からクローズの元にスナリザモンを、文字通り奪い返したのだ。その後、ユニークエンブレムはバトルエリアに置かれる。

このカバレージを読んでいる方は誤解しないでいただきたいのだが、皆様の手元に届く同名のカードには、決してこのような効果は存在しない。リベレイター特有、いやクローズとスナリザモンの絆があったからこそ発揮された、まさに奇跡と呼ぶべき効果なのだ。
2人の固い絆があったからこそ引き起こされた、絆のオルタライドというべきだろう。

そして帰ってきたスナリザモンは、当然クローズのスナリザモンなので効果は別のものになっている。スナリザモンの【登場時】効果が解決。トラッシュのゴロモン2枚を自身の進化元に入れる。

サウンドバードモン

突然の事態にアンチェインは混乱しつつ、サウンドバードモンを登場させる。【登場時】効果によって、アイズモンを手札に加える。
そして、アバドモンの【お互いのターン終了時】効果でトラッシュのアイズモン:スキャッターモードを進化元に入れることで、クローズのランドラモンを消滅。

そして、メモリー3でクローズのターンがスタートする。
育成フェイズでゴロモンを孵化させると、メインフェイズ開始時に場のテイマーカードの効果でメモリーが4に。
クローズは手札のプロガノモンの【メイン】効果を使用。トラッシュからランドラモンをバトルエリアのスナリザモンの進化元に入れることで、3コストでプロガノモンへワープ進化させた。

プロガノモンの【進化時】効果が発揮。進化元のゴロモンを破棄することで、自身のDPを+3000し、≪衝突≫≪貫通≫を付与する。破棄されたゴツモンの進化元効果でクローズのメモリーが1増えて、2となった。

クローズとスナリザモンの絆の連鎖はまだ終わらない。自分のデジモンが鉱物型/鉱石型の特徴を持つデジモンに進化したため、テイマーカードの【自分のターン】効果を発揮。トラッシュからプロガノモンの進化元にゴロモンとランドラモンを入れる。これでプロガノモンの進化元は計5枚。

クローズはメモリー4でプロガノモンをピラミディモンに進化。これでアンチェイン側にメモリーが渡るが、問題ない。ピラミディモンの【進化時】効果によって、進化元からゴロモン2枚とランドラモンを破棄する事で、ピラミディモンに≪Sアタック+1≫を付与。破棄されたデジモンカードの進化元効果によって、クローズのメモリーが+2され、サウンドバードモンが消滅する。

そして自分のデジモンが鉱物型/鉱石型の特徴を持つデジモンに進化したため、テイマーカードの【自分のターン】効果を発揮。トラッシュからピラミディモンの進化元に、たった今使用したばかりのゴロモン2枚を入れる。

その後、ピラミディモンがアバドモンにアタック。その際、ピラミディモンの【アタック時】効果によって、進化元からランドラモンとゴロモンを2枚破棄することで、ピラミディモンがアクティブになり、≪Sアタック+1≫が付与された。

ここで進化元から破棄されたゴロモン2枚とランドラモンの効果が発揮。クローズのメモリーが+2とアバドモンへ≪退化1≫が付与される。これによって、アバドモンはアイズモン:スキャッターモードへと退化する。

ピラミディモンに進化したときは、アンチェイン側に傾いていたメモリーが、いつのまにかクローズ側の2になるまで戻っている。このターン、クローズは何度ゴロモンの進化元効果を使ってメモリーを増やしたのだろうか。まさにこの進化元効果の再利用こそ、鉱物型デッキの真骨頂といえるだろう。

効果の連鎖はまだ続く。今度は、先のものとは別のテイマーカードをレストし、ピラミディモンの進化元にトラッシュからランドラモンを入れる。
そして、テイマーがレストしたことで、ユニークエンブレムの≪ディレイ≫条件が達成。ピラミディモンが1コストで、新たな姿へと進化する。

磁力に覆われた輝く姿は、まるで巨大なエネルギーの塊。超高硬度の漆黒の岩石を纏い、赤と青のラインが入ったそのデジモンは、三つ首の怪物と呼ぶにふさわしい。
――マグネティックドラモン。絆の力によって生まれたその竜は、勝利のために虚無の前に立ち塞がった。

マグネティックドラモン

マグネティックドラモンの一撃が、アイズモン:スキャッターモードを砕く。
先のプロガノモンの【進化時】効果で≪貫通≫が付与されているため、このままセキュリティチェックが入る。マグネティックドラモンの現在のDPは17000。チェック枚数は脅威の3枚!

チェック内容は、アイズモン、アイズモン:スキャッターモード、サウンドバードモン。この程度では怪物を止めること敵わず! アンチェインのセキュリティ、残り1枚。先のピラミディモンの【アタック時】効果でアクティブになっているため、マグネティックドラモンの攻撃は続く!

ここで【アタック時】効果を2つ発揮。まず、進化元からプロガノモン、スナリザモン、ランドラモンを破棄することでアンチェインのセキュリティを1枚破棄。これでアンチェインのセキュリティは0枚!
次にもうひとつの【アタック時】効果。進化元からたった今破棄した3枚を再度進化元に入れることで、マグネティックドラモンがアクティブに。これでトドメか!?

しかし、ここでアンチェインが動く!先に消滅したアイズモン:スキャッターモードの進化元にあったのは4枚目のネガ―モン。虚無が出てくる条件は整った。育成エリアのアバドモンコアの【相手のターン】効果でトラッシュのネガ―モン4枚をデジタマに戻すことで、アバドモンコアがマグネティックドラモンの迎撃のために、バトルエリアへと躍り出る。

アバドモンコアの【移動時】効果で、トラッシュから自身の進化元にアイズモン:スキャッターモードを3枚置くことでマグネティックドラモンを消滅させる。

ここでマグネティックドラモンが消滅してしまえば、この後クローズに逆転の機会は与えられない。このままクローズは敗北してしまうのか。しかし――!!

――≪フラグメント3≫。
進化元からピラミディモン、スナリザモン、ランドラモンを破棄することで、マグネティックドラモンはアバドモンの効果による消滅を免れた。
更に破棄したランドラモンの進化元効果で、アバドモンコアに≪退化1≫。アイズモン:スキャッターモードに退化。
そして≪衝突≫によって、マグネティックドラモンとアイズモン:スキャッターモードのバトル。当然、粉々に打ち砕かれるのはアイズモン:スキャッターモードの方だ。

そのまま最後の一撃が、アンチェインを打ち砕いた。

これにて、クローズVSアンチェインのバトルはクローズの勝利となった。

マグネティックドラモン

クローズとスナリザモン力によって、アンチェインの企みは未遂のまま砕かれた。しかし、アンチェインの手元には、デバッグチームを幾度となく救ってきたオルタライドのキッカケとなるであろうピースが握られていた。
果たして、これが今後の戦いにどのような波紋を生み出すのだろうか。次回のバトルも楽しみに待つことにしよう。

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