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COLUMN

TIPS 28
バトルカバレージ⑪ VS 城之崎有紗

今回のバトルはヴァイオレット・インブーツことヴィオラの操るゴースト型デッキと、城之崎有紗のパペット型デッキの対戦だ。

ヴィオラのゴースト型デッキは、ターン終了時にアタック・自壊する能力≪エグゼキュート≫によって、自身の【消滅時】を積極的に使い戦っていく。【消滅時】にトラッシュからの蘇生や、相手デジモンの消滅、テイマーカードによる進化といった効果を連鎖的に発揮させることで、盤面を制圧。気が付いた頃にはゴースト型デジモンの軍勢であっという間に埋め尽くされてしまうだろう。

ヴァイオレット使用デッキ

軍勢の展開といえば、有紗のパペット型デッキも負けていない。ターン終了時に自分のデジモンかトークンを消滅させることでアタックできる能力、≪オーバークロック≫による連続攻撃と、デジモンの消滅に誘発する能力で戦っていく。

有紗使用デッキ

ゴーストとパペット。種族は違うが、どこか似たような戦い方をする親友≪ライバル≫2人のバトルは、どのような結末になるだろうか。そして、ヴィオラが道化のサムの時から感じている憂いはこのバトルを通じて取り払われるのだろうか。

まずは、お互いの盤面の様子をまずは確認しよう。

これがヴィオラの盤面だ。

ヴィオラの盤面

バトルは終盤。バトルエリアには複数のテイマーカードとメモリーブーストが置かれているが、残りのセキュリティは0枚。育成エリアにはレベル5のメタルファントモンが構えている。

一方、有紗の盤面はこうだ。

有紗の盤面

有紗のバトルエリアには、ニャブートモン、カグヤモンを含めて7体のデジモンたち。大軍団である。加えて残りのセキュリティは2枚。
ヴィオラはこのターン、有紗のセキュリティを全て削ったうえで勝利する必要がある。だが、カグヤモンの【お互いのターン】効果で、この大軍勢は全て≪ブロッカー≫を所持している。このパペットの壁を突破することは容易ではないだろう。

そんな絶体絶命の状況ではじまる、ヴィオラのファイナルターン。メモリーは6だ。
育成フェイズでメタルファントモンをバトルエリアに出し、メインフェイズ開始時にテイマーの効果でメモリーが7に。メモリーブーストも含めて、メモリーは充分。

ヴィオラはメタルファントモンを4コストでネクロモンに進化。【進化時】効果で有紗の最もレベルの低いデジモン、シューモンを消滅させる。
ここでシューモンの消滅に誘発して、カグヤモンの【お互いのターン】効果が発揮。ヴィオラの場のネクロモンが消滅してしまう。だがこれはヴィオラの狙い通り。ネクロモン自身とその進化元にある【消滅時】効果が解決される。

まずは、進化元のゴースモンとバケモンの効果で、ヴィオラのメモリーが5に。続けてメタルファントモンの進化元効果によって、≪退化1≫をニャブートモンに。
有紗のニャブートモンはサンドリモンに退化。これでニャブートモンの持つ【お互いのターン】効果を封じた。ファントモンの進化元効果とネクロモンの効果で、バケモンとファントモンがそれぞれトラッシュから蘇る。

まだヴィオラのゴーストラッシュは続く。自身のデジモンが消滅したことで、テイマーカードの効果を発揮し、ファントモンを1コストで先とは別のネクロモンに進化。

ネクロモン

そしてゴースト型デジモンに進化したため、もう一種のテイマーカードの効果を発揮。ネクロモンに≪速攻≫を付与する。

一連の効果が解決し、ヴィオラの場にはアタック可能な状態のネクロモンと、バケモンが残った。残っているメモリーは4。
一方、有紗の場にはまだ6体のデジモンが残っている。≪ブロッカー≫を付与しているカグヤモンを突破しなければならないが、進化元のカラクルモンが厄介だ。

カラクルモン

他のトークンかパペット型デジモンを消滅させることで場を離れない能力。
この効果のせいで、紫が得意とするレベル指定の除去がカグヤモンには通じない。横に並んでいるデジモン達を先に対処する必要があるが、この数を対処する手段はゴースト型デジモンには存在しない。このままではヴィオラの負けになるはずだが、この窮地にヴィオラはとんでもない手段で対抗することになる。

ヴィオラは場のヴァイオレット・メモリーブースト!!の≪ディレイ≫効果で、メモリーを6にすると、メモリーを5支払って、ネクロモンをシャイングレイモン:ルインモードへ進化させる。

シャイングレイモン:ルインモード

シャイングレイモン:ルインモード。横展開を得意とするデッキに対する強烈すぎる抑止力であり、デジモンカードゲームで名を馳せている強力な汎用レベル7だ。
そして、かつて初めてヴィオラが有紗を倒したカードであり、後にコレクターと呼ばれる彼女のデジカ史に始まりを刻んだカードでもある。

ルインモードの青い炎が、有紗の戦場を覆いつくす。

【進化時】効果で有紗の場全体にDP-5000。これで有紗のシューモンと使い魔トークンがすべて消滅する。使い魔トークンの【消滅時】効果でバケモンも消滅するが、これで有紗の場のデジモンを3体まで減らすことができた。進化するだけで、相手の小型デジモンを問答無用で焼き尽くす。デジモンカードゲーム有数のパワーカードは伊達ではない。

ヴィオラはルインモードでセキュリティへアタックを仕掛ける。有紗はパンダモンでブロック、消滅。【消滅時】効果はあるが、青い炎が残っている戦場に、レベル3登場はほとんど意味を為さない。
そしてルインモードの【アタック終了時】の効果で、ヴィオラはカグヤモンの消滅と≪リカバリー+1≫、そして育成エリアでプチメラモンの孵化を宣言。
進化元が多いサンドリモンの生存を優先したのだろう。有紗はカグヤモンの消滅を受け入れた。
これで有紗の場に残ったのはサンドリモン1体のみ。ヴィオラにとって邪魔な壁が全ていなくなった。

その後、ルインモードとその進化元が持つ【消滅時】効果がそれぞれ発揮する。ルインモードの持つDP-5000が有紗の場にかけられ、合計DP-10000の修正が有紗のターン終了時まで適用される。そして、ファントモンの進化元効果で、ヴィオラのトラッシュからゴースモンが登場。

まだヴィオラのターンは続く。育成エリアのプチメラモンをキャンドモンに進化させると、ヴィオラはジャックレイドを使用。バトル終盤なこともあり、ヴィオラのトラッシュ枚数は当然20枚以上。メモリーが+2され、ヴィオラのメモリーは3になった。

ヴィオラはまだ止まらない。そのメモリーで、ヴィオラは手札のファントモンの【メイン】効果を使い、ゴースモンの進化元にトラッシュからバケモンを差し込んで、合計2コストで進化させる。
ゴースト型デジモンに進化したため、最後のテイマーカードの効果でファントモンに≪速攻≫を付与。

ここで、ヴィオラの復活を祝福するように、ゴースモンが1枚のカードをヴィオラに渡す。
ユニークエンブレム:霊魂の饗宴。ゴースモンがずっと持っていたこのカードの≪ディレイ≫効果で、ファントモンが新たな姿へ進化する。

実体無き愛馬で駆け、魂を刈り取る首無しの騎士。デュラハモンがヴィオラの復活に応じるように、首付きフレイルで戦場に暴風を巻き起こす。

デュラハモン

デュラハモンの【進化時】効果で、有紗のサンドリモンが消滅。その後、メモリーが有紗側の1になっているため、ヴィオラのターン終了時に移行する。
デュラハモンの≪エグゼキュート≫によるアタックが、有紗の残りのセキュリティを削りにいく。
セキュリティバトルの結果は、カグヤモンとサンドリモン。どちらもDP14000あるデュラハモンを止めることは敵わない!

アタック終了時、デュラハモンは≪エグゼキュート≫により消滅。デュラハモンと進化元効果の【消滅時】効果がそれぞれ解決。デュラハモンと進化元のファントモンの効果で、それぞれネクロモンとバケモンがトラッシュから登場。
ネクロモンの【登場時】効果で、トラッシュからソウルモンが登場。その後、残った進化元のバケモンの【消滅時】効果が解決し、メモリーが0に。これでヴィオラのターンが継続する。

ここで最後の一撃を用意できればヴィオラの勝利……なのだが、今ヴィオラの場にアタックできるデジモンはいない。このままではターンを渡して終了となってしまう。

だがこのデッキの使い手は、「コレクター」ヴァイオレット・インブーツだ。
彼女は高々とバケモンとソウルモンのジョグレス進化を宣言する。

キメラモン

合成魔獣キメラモン。
トラッシュからレベル4デジモンが何度も蘇生するこのデッキとの相性は抜群である。そして、ジョグレス進化したデジモンは進化したターンにアタックすることが可能だ。

キメラモンのダイレクトアタックを止めるデジモンは、有紗の場には存在しない。

これにてヴィオラの勝利が決まった。ルインモードにキメラモン。デジモンカードゲームを愛し、様々なカードを知るヴィオラだからこそ得られた勝利だった。
バトルを通じて、ヴィオラの憂いも払拭された。彼女たちにとっては、『すべりぐ』な結末だったといえるだろう。

ヴィオラと有紗
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