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TIPS 29
バトルカバレージ⑫ VS ラグナモン

今回のバトルは、元チャンプであるオーウェン・ドレッドノートが繰り出す竜人型デッキと、ノアプロジェクトのレイドボスであるNPCゼノ――もとい現世界チャンプ、ゼニスの操るラグナモンデッキの戦いだ。

オーウェンの竜人型デッキは、セキュリティ破棄とそれによって誘発する効果によって対戦相手を猛烈に攻め立てる、赤らしい超攻撃型だ。相手のデジモンを消滅させることも得意なデッキだが、今回のバトルでは苦戦を強いられることだろう。

オーウェン使用デッキ

何故なら、対戦相手のゼニスが使うラグナモンデッキは、複数回場を離れない効果によって盤面を制圧することに長けているからだ。

守りだけではなく、一撃必殺の性能を持ったオプションカード「ラグナロクキャノン」によって、一気に相手のセキュリティを破棄することもできる。扱いが難しい玄人向けのデッキながら、ゼニスが世界を獲ったデッキでもある。

ゼノ使用デッキ

一度ゼニスの場にラグナモンが降臨してしまうと、オーウェンはその突破に力を使わなければいけない。そのため、できればその前に決着をつけたいのだが……なんと今回のバトルは、世界決勝の状況を再現したシチュエーションバトルとなっている。

既にラグナモンが降臨している状態からゲームがスタートするうえに、オーウェンのセキュリティは0枚。ゼニスのセキュリティは5枚だ。

オーウェンにとって、圧倒的不利な状況から始まるこのバトル。世界決勝のリベンジとも呼べるこのバトルを、オーウェンはどのように戦い抜いたのだろうか。激戦の様子を見ていこう。

まず、これがゲーム開始時のオーウェンの盤面だ。

オーウェンの盤面

セキュリティこそ0枚だが、レッド・メモリーブースト!!が2枚と、進化元効果でラグナモンを超えるDP19000となるウォーグレイモンがいるのは悪くない状況だ。

次いで、こちらがゼニスの盤面だ。

ゼノの盤面

ゼニスの場には、既にベムモンが進化元に8枚差し込まれたラグナモンと、メモリー3を確保するテイマー。そして、育成エリアにはスナッチモンが構えている。

ラグナモンの持つ場を離れない効果を使える回数は合計2回。もしオーウェンがラグナモンを消滅させたとしても、すぐに2体目のラグナモンに進化できるような状況をゼニスは作っている。

ゲームはオーウェンのターン、メインフェイズからはじまる。メモリーは4。

まず、オーウェンはラグナモンに向けてウォーグレイモンでアタックを仕掛ける。

ラグナモンのDP17000に対して、ウォーグレイモンはDP19000。そのままいけばラグナモンは消滅するはずだが、【お互いのターン】効果によって、ラグナモンは場から離れない。

ここまでは以前の世界決勝と同一だ。だが、今のオーウェンのデッキはあの時から進化している。

オーウェンはレッド・メモリーブースト!!を2枚ディレイすることで、メモリーを8まで増やすと、コストを3支払うことで、ユニークエンブレム:烈火の指揮者を使用。効果でエリザモンを登場させる。

エリザモンの【登場時】効果によって、ラミアモンを手札に加えると、そのエリザモンをディメトロモンへと進化。ディメトロモンの【進化時】効果でテイマーカードを1枚バトルエリアに登場させると、そのままディメトロモンをラミアモンへと進化させる。

ラミアモンの【進化時】効果で、ゼニスは自身の手札をセキュリティに加え、セキュリティのトップを破棄する。この効果でゼニスのセキュリティが1枚破棄されたため、オーウェンのデジモンの進化元効果が誘発する。

ラミアモンの進化元にあるエリザモンとディメトロモンの効果によってメモリーが+2された後、ウォーグレイモンの進化元のギギモンの効果によって、ラミアモンは2コストでメデューサモンへと進化した。

メデューサモンの【進化時】効果による消滅の対象をラグナモンに。

だが、メデューサモンの牙が届く前に、再び【お互いのターン】効果によってベムモンを4枚デッキの下に戻すことで、ラグナモンは場から離れない。これでようやくラグナモンの場を離れない効果は使えなくなった。

その後、ゼニスのトラッシュからスナッチモン2枚をデッキ下に送ることで、ゼニスの場に石化トークンが2体登場する。

ここで戦場に突如翠と緋色の突風が吹き荒れる。

風向き良好。石化トークン2体をレストさせて登場したのは、風真照人の切り札の一角、魔法騎士メディーバルデュークモンだ。

メディーバルデュークモン

メディーバルデュークモンが登場したことで、自身の【お互いのターン】効果によって、【進化時】効果が発揮。今レストしたばかりの石化トークンが消滅し、ゼニスのセキュリティが上から1枚破棄される。

石化トークンが消滅したことで、ウォーグレイモンの【お互いのターン】効果が誘発し、ウォーグレイモンがアクティブに。ゼニスのセキュリティが破棄されたことで、メデューサモンの進化元のラミアモンの効果でオーウェンの手札からディメトロモンが登場。

そしてメモリーがゼニス側の7に渡ったことで、オーウェンのターン終了時の処理に移行する。メディーバルデュークモンの≪ヴォルテクス≫で、耐性のないラグナモンにアタックを仕掛ける。≪連携≫によりメデューサモンと協力することで、メディーバルデュークモンのDPは28000。

盤石の守りを持った宇宙要塞は、旋風の魔法騎士の一撃によって消滅した。

以前は突破できなかったラグナモンを、以前までの構築では入らなかったデジモンを入れることで攻略したオーウェン。

常に前を見続け、仲間と共に歩んできたオーウェン・ドレッドノートだからこそ、今回のラグナモン攻略が可能になったのだろう。

しかしラグナモンを突破出来たからとて、オーウェンはまだ油断できない。

≪ブロッカー≫持ちのウォーグレイモンがいるとはいえ、オーウェンのセキュリティが0枚であることに変わりはない。

盤面

ゼニスのターン、メモリーは7。

育成エリアからバトルエリアへスナッチモンが移動。メインフェイズで、ゼニスはフュージョナイズを0コストで使用。トラッシュからスナッチモンの進化元にベムモンを入れることで、デストロモンに3コストで進化する。

デストロモンの【進化時】効果で、オーウェンの場のディメトロモンが消滅。その後、デストロモンを6コストで再びラグナモンへ進化させる。

ラグナモンの【進化時】効果で、トラッシュからラグナモンの進化元にベムモン2枚とツメモン2枚を入れることで、ゼニスはトラッシュからラグナロクキャノンを使用する。

トラッシュにラグナロクキャノンが落ちていたのは、今回のシチュエーションバトルが、あの決勝大会を再現していたためだろう。

ラグナロクキャノンの【メイン】効果で、メディーバルデュークモンが消滅する。

先ほど苦労して消滅させたラグナモンが、再びオーウェンの前に立ちはだかる。

だが、先のラグナモンとは違い、今回の進化元のベムモンの枚数は4枚。場を離れない耐性は1回のみだ。オーウェンの今の場のデジモン達なら十分突破できる可能性はある。

盤面

オーウェンのターン。メモリーは2からスタートする。

メインフェイズ開始時に、テイマーの効果でメモリーが3に。

オーウェンはまず2コストでレッドカードを使用し、ウォーグレイモンにオプションカードとDPマイナスの耐性を付けた。

一見攻めっ気重視のオーウェンのデッキには噛み合わないカードだが、攻撃中に相手の効果を受けない≪プログレス≫を持たないデジモンを守る為のカードなのだろう。クセのあるオプションカードを上手く使いこなせるオーウェンらしい採用カードだ。

その後、彼の十八番ともいえるシャドーウイングを2枚使い、メデューサモンのDPを+6000する。そしてメモリーがゼニス側の1になったため、ターン終了時の処理に移行。

テイマーカードの【自分のターン終了時】効果でメデューサモンに≪貫通≫を付与して、そのままアタック。≪突進≫の効果でメデューサモンの攻撃対象をラグナモンに変更する。

そしてテイマーカードがレストしたことで、ユニークエンブレムの≪ディレイ≫条件を達成。メデューサモンがオーウェンの新たな切り札へと進化する。

全身に装備した重火器を支えるのは、圧倒的な質量を持った鋼のような肉体。華奢で残虐なメデューサモンとは真逆の、豪快なパワーファイター。

――その名は、スティラコモン。

スティラコモン

紅紫色の肉体から繰り出される豪快な一撃は、オーウェンの前に立ち塞がる全てを粉砕する。

スティラコモンの【進化時】効果により、ゼニスが先ほど差し込んだセキュリティを選んで破棄してアクティブに。破棄したカードはDGディメンジョン。万が一セキュリティが削り切られても負けないように保険をかけておいたということらしい。

セキュリティを破棄したことで、進化元のエリザモンとディメトロモンの効果でメモリーが+2され、オーウェンのターンが継続する。続いて、スティラコモンの【お互いのターン】効果でセキュリティが減ったことで、ラグナモンを消滅させる。

再びラグナモンは【お互いのターン】効果でベムモン4枚をデッキ下に戻すことで場から離れない。これでラグナモンの進化元にあるベムモンの枚数は0枚。耐性のなくなったラグナモンに、スティラコモンの超弩級の≪突進≫が襲い掛かる。

ゼニスの切り札が二度目の崩壊。スティラコモンの≪貫通≫により、ゼニスのセキュリティが破壊される。セキュリティチェックの結果は、アルティメットフレア。

アルティメットフレア

≪プログレス≫によって、スティラコモンはアタック中に相手の効果を受けないため、ゼニスはアルティメットフレアの【メイン】効果の対象を、ウォーグレイモンに指定。

だが、ウォーグレイモンはレッドカードによってオプションカードへの耐性を得ているため、アルティメットフレアの効果を受けない。除去オプションが入っていることを見越して、オーウェンはレッドカードを事前に使用していたのだろう。

これでゼニスのセキュリティは残り2枚。オーウェンの場には、まだウォーグレイモンが残っている。ウォーグレイモンのアタック。≪突進≫によって、石化トークンに対象を変更。石化トークンが粉砕され、【消滅時】の効果によってセキュリティが1枚破棄され、ゼニスのセキュリティは残り1枚。

セキュリティが破棄されたため、【お互いのターン】効果でウォーグレイモンはアクティブに。ウォーグレイモンがゼニスの最後のセキュリティへアタック。セキュリティチェックの結果はベムモン。これでゼニスを守るセキュリティは全て破壊された。

そしてオーウェンの場には、アクティブ状態のスティラコモン。

スティラコモンの超重量の一撃がゼニスを粉砕した。

これにてバトルはオーウェンの勝利となった。

たったひとりで孤独に強くなり続けたゼニスと、仲間と共に成長を続けてきたオーウェン。

今回のバトルの勝敗を分けたのは、ここだろう。

だが、デジモンカードゲームの実力とは1回、2回の勝負で決まるものではない。次にゼニスがオーウェンと再戦した場合、どちらが勝つかはわからない。

オーウェンとベムモンとゼニス

ふたりのトッププレイヤーの今後の成長を楽しみにしつつ、今回のカバレージは終了する。

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