DIGIMON LIBERATOR

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DEBUG.26

『私が……怖がっている?』

 ユウキの問いに返すダルフォモンの声には、それまでには見えなかった色があった。怒りにも、驚きにも、あるいは悲しみにも似た色。
 次にダルフォモンがなにをするのか、その場にいる誰にも分からなかった。
 インプモンは、その神がユウキに何をしても良いように、戦いの構えを取った。
 クールボーイは自分の無力さを噛みしめながら、ただ祈るように目を閉じた。
 ユウキはまっすぐにダルフォモンを見詰め、目をそらさなかった。

『――ああ』

 ぽたり、と、水滴が地面を打つ音がした。
 音はやがて、しとしと、と変わり、やがて音と音の切れ目が見当たらない、ひとかたまりの音となる。
 森の奥で感じる霧雨の音、けれどユウキもインプモンもクールボーイも、森の最深部から離れた場所でその音を聞いたサイキヨたちも、誰もがその音の意味を直感的に理解していた。

「ダルフォモン……泣いてる?」

 ユウキがぽつりと呟く。これはダルフォモンの涙だと、神の抱いた悲しみが、この世界そのものの涙となって、クロスコネクティア中の大地を湿らせているのだと、誰もが理解していた。

『私は、怖かった、怯えていた――そう、だったんですね』

DIGIMON LIBERATOR SIDE STORY
DEBUG26 飛翔

「おいユウキ! どうしてダルフォモンの考えてることが分かったんだよ」

 涙を流すダルフォモンの姿に、インプモンはユウキの袖を引き、声を潜めて尋ねる。ユウキは驚いた様に首を振るばかりだ。

「え!? そんなのわかんないよ」

「けどよ……」

 首をひねるインプモンに、

「私はただ、このままクロスコネクティアのみんなから頼まれたら、ダルフォモンはいやいや私たちの頼みを聞いてくれるなって、それはヤだなって思ったの」

「”怖がってる”ってのは?」

「なんとなく! なんでそのまま滅びた方が良いくらい、ラクーナに来るのがイヤなんだろうって考えたらさ、ラクーナがすごくイヤか、怖いモノがあるんじゃないか、って思ったんだよね」

『……その、両方ですよ』

 ユウキの言葉を引き継ぐように、ダルフォモンがぽつりと語る。

『確かに、私は怯えていた、そして同時に蔑んでいた、嫌っていた、怒っていた。私と同じデータから生まれ、そして全く逆の道をたどったマキナに』

「……“片割れ”ですか」

 ぽつりと呟いたクールボーイの言葉を肯定するように、湿り気を含んだ冷たい風が彼の頬を撫でる。

『私はすでにこの世界の神だったから、最も嫌う同胞を拒否する気持ちを言い表す言葉を持てなかった。恐怖も、憎しみも、怒りも、神には、システムには不要なモノだったから』

 ダルフォモンの声にはこれまでの静かな威厳の代わりに、頬を撫でる森林の風のような穏やかな緑色が混じっていた。

『……私は、怖かったんですね。片割れと再び出会うこと、あのハザマの子――アンチェインが、私たちを再び一つにしようとしていることが、どうしようもなく気持ち悪くて、怖かった』

 その言葉に、ミスティモンとパンジャモンは顔を見合わせる。クロスコネクティアのデジモンたちにとって、ダルフォモンが神であり、システムであることは当たり前だった。そんな存在が生々しい感情を表すのを見た驚きが、その瞳に浮かんでいた。

「そんな、しかし、それでは我々は……」

「ダルフォモンを、ずっと苦しめていたのかも知れないな。オレたちにとってあんたは神様で、自分たちと同じデジモンだなんて考えたこともなかった」

『あなたたちに責任はない。それでよかったのです。世界が、そして何より私自身が、そうあれかしと望んだのだから』

 気付けば雨はやんでいた。ダルフォモンはもう泣くことをやめ、自分を一体のデジモンとして見詰めた少女に意識を向ける。

『冒険者の少女――ユウキ、と言いましたね。あなたには感謝しています』

「か、感謝!?」

『自分でもずっと忘れていた、一体のデジモンとしての私を思い出させてくれた。それがこの世界にとって良いことかは分かりませんが、あなたに見つけてもらった私は、感謝するべきだと思ったのです』

「そっか……ええ、照れちゃうなー」

 ユウキは少しだけ気恥ずかしそうに頬を掻き、それから真剣な光をその目に灯した。

「うん! わたしも、今のあなたになら、お願いできると思う」

 そして大きく息を吸って、ダルフォモンを見上げる。

「ダルフォモン、私たちと一緒に、ラクーナに来てほしいの」

 その言葉に、ダルフォモンは首を振る。

『あなたは理解したはずだ。私の恐怖を、嫌悪を、憎しみを。あなたがそれを見つけた。それなのに、どうして私にそんなことが頼めるのです?』

「私はラクーナを守りたい、そして、この世界も。……出会ってきたデジモンみんなと、友達になりたい」

「そのために、私に犠牲になれと? 片割れと一つになり、ハザマの子の手に落ちろと言うのですか」

 びりびりと、圧倒的な存在感がユウキに迫る。神でない自分を再発見した神が、神の力で押しつけるわがまま。怖い、気持ち悪い、行きたくない――世界ごと死んだ方がマシだという気持ち。
 森に息づく生命のすべてがざわめく、ダルフォモンの思いを乗せて、耳を塞ぎたくなるほどの轟音となってユウキを襲う。
 その圧に、彼女が一歩後ずさった。すると、インプモンがその足に抱きつくようにして支える。

「……インプモン?」

「言ってやれよ、ユウキの言いたいこと」

「うん。でも、悩んでたの」

 ユウキは視線をダルフォモンからそらさないまま、唇を噛む。

「ダルフォモンの気持ちは、当たり前の気持ちで。私はそれに何も言えない。同じくらいのワガママでしか、返せないよ」

「だったらそれでいいだろ!」

 インプモンがそう叫ぶ。瞬間、ユウキのD-STORAGEが輝いた。その場を満たす轟音を切り裂くように、ディストーションギターが響く。

「資格なんて気にすんな! お前はお前が言いたいことを言えばいい。ジャマするヤツは俺が全員ぶっ飛ばしてやる!」

「ヘヴィーメタルドラモン……」

 インプモン――ヘヴィーメタルドラモンの叫びに、ユウキは一瞬うつむいたあと、力強く頷いた。

「うん……うん! 私、言える!」

『言ってしまうのですか。それを言われたら、私は、私は――』

 最早そこにいるのは一体の災害に等しいデジモンだった。ダルフォモンが自らの口で咆吼すれば、森の至る所から鋭いツタが伸びてくる。それらは一本一本が巨人の腕のように太く、すさまじい勢いでユウキを貫こうとする。
 刹那、ユウキたちの背後で3つの光が輝いた。

「想定通りだ、クイーンビーモン」

「任せて! ローヤルスローン展開――『アクセルスティンガー』!」

 その声と共に、黄金の軍団を統べる女王――クイーンビーモンが輝く扇子を広げる。みるみるうちにその足元に巨大な玉座――ローヤルスローンが展開され、アームの一本をツタに突き刺した。
 そのダメージは軽微なもので、ツタの勢いを殺すことはできないかと思われたが、クイーンビーモンが瞬時に生成した毒が回り、みるみるうちにツタは茶色く変色し枯れ落ちた。

「ダイナモン、絶対にユウキを!」

「分かっているとも――『バーニング・エンド』!」

 ツタの一本を恐竜の王――ダイナモンが、その巨大な手で受け止める。真っ赤な巨体をわずかに揺らがせるほどにその勢いはすさまじかったが、やがてダイナモンの手甲から紅蓮の炎が巻き上がり、ツタを消し炭に変えた。

「スカーディモン、正念場よ」

「良いとこ見せなきゃね――『スノースワッター』からの『スノーマンズダンス』!」

 氷の国の女神――スカーディモンが杖を振り上げれば、森林に満ちる水分が瞬時に凍結し、巨大な氷の腕がツタに伸びる。それはダイナモンのようにツタを受け止めきることはできなかったが、わずかな時間を稼げばそれで十分。無数の雪ダルマ型ミサイルがツタに向けて降り注ぎ、爆風の後は何も残らなかった。

「――すでに準備済みですね、インビジモン」

「もちろんッス! 『インビジブルカッター』!」

 4本目のツタを遮るものはないかに見えた、しかし、突如そこに巨大な存在が現れる気配がしたかと思うと、ツタが千々に切り裂かれる。不可視の戦士――インビジモンが巨大なブーメランでツタを細切れにしたのだ。

「ユウキ」

「ユウキ!」

「ユウキちゃん!」

「ユウキさん」

 仲間たちの声に、ユウキは頷き、大きく息を吸った。

 最初は宇宙人と似たようなモノだと思っていた。自分たちから一番遠くにいる生き物、というだけだった。
 そんな生き物と友達になれれば、そんな生き物たちから、自分の存在を認めてもらえれば「自分はここにいて良いのか」なんて疑いを持たなくていいと思った。
 でも結局、たくさんのデジモンたちと出会って分かったのは、デジモンたちもみんな、人間と変わらないと言うこと。合う合わないがあって、気分の浮き沈みがあって、心を通じ合わせるのは、本当に大変だ。
 そうして、インプモンやたくさんのデジモンと友達になったユウキは、もう「自分はここにいて良いのか」と言う疑問の答えを、空の彼方に求めたりしない。その答えはいつだって、隣にいる相棒が、戦いを共にした仲間たちが教えてくれる。
 その上で、ユウキの願いは変わらない。理屈とか、道理とか、そういうのは全部通り越して、今も彼女は願う。

「ダルフォモン!」

 だって、すべてのデジモンと友達になれたら、それって最強じゃん?

「私、あなたのことまだ全然知らない! でも、あなたがこの世界のデジモンたちのことが、みんなが好きなのは分かる!」

 だってそうだ。この世界を、そこに息づく命を愛していなければ、そもそもダルフォモンは神としてここにいないだろうから。今こうして攻撃の雨を降らせながらも、ユウキの方をまっすぐに見てはいないだろうから

「怖いって思う気持ちも、気持ち悪いって思う気持ちも、ダルフォモンのモノだよ。でも、同じくらい、そのラブだって本物だと思う。私はそれを守りたいの!」

「そうだ。叫べ、ユウキ――! 『ブラックサバス』!」

 ヘヴィーメタルドラモンが咆吼すれば、ユウキに向かって伸びるツタが粉々に砕ける。その勢いに背中を押され、ユウキは思いっきり叫んだ。

「お願いダルフォモン。私たちがそばにいる。絶対に負けないって誓う。だから――」

 それはあまりに無責任な誓い。けれど、そこに嘘はない。

「――私たちと、一緒に戦って!」

『―――――!』

 彼女の言葉に応えるように、ダルフォモンがひときわ強く咆吼する。その声は緑色の風となって、滅び行く大地を吹き抜けた。

 森の最深部、荘厳な雰囲気が見る影もないほどに荒れたその場所で、クールボーイは目を覚ます。
 周囲にはユウキたちデバッグチームのメンバーと、仲間のデジモンたちが倒れていた。皆先ほどの衝撃で気を失ったらしいが、目立ったケガは誰にもなく、彼は安堵する。

『目覚めましたか、伝道者よ』

 と、そこにダルフォモンの声が響く。森林そのもののような深い声、しかしその声には、先ほどまでのようなプレッシャーは感じられなかった。

「ダルフォモン……彼女は、我々は」

『あなたたちは自らの思いと力を証明した。私の攻撃に耐えながら、まっすぐな思いを、神ではない私に向けて伝えてくれた』

 伝えてくれた、と、感謝の響きすらにじませて、神だったデジモンは言う。

『私の完敗です』

「では……」

『ええ、あなた方と共に戦う覚悟を、私も決めました。あなたたちなら、新天地でも私の愛し子たちを守ってくれる。ハザマの子との勝負に勝つだけの力がある』

「……ユウキくんたちひとりひとりの思いも、力も、アンチェインとの勝敗にはほとんど関係しませんよ。ダルフォモン。それでもあなたは」

「ええ、それでも、あなた方が――いえ、“我々”が勝つと判断しました。なぜなら――」

 ダルフォモンは二対の目をクールボーイに向け、優しい声色で語る。

『――あなたも、覚悟を決めたのでしょう。伝道者よ』

「……」

『私を、この世界のすべてを、駒として計算にいれる覚悟が、あなたにはなかった。ずっと昔から』

 その言葉にクールボーイは観念したとでも言うように頷く。

「……そうだ。僕はデジモンを守ると言うばかりで、デジモンたちと共に戦う覚悟がなかった。同じリスクを負う覚悟がなかった。周りのみんなが、とっくに気付いているようなことを見失っていた」

『では、今は?』

「思い出したよ、ユウキくんたちのおかげでね」

 そうして彼は、勇気を振り絞るように拳を握りしめると、ダルフォモンの目をまっすぐに見返した。

「ダルフォモン。我々はラクーナに飛んだらすぐに、アンチェインと戦うことになるだろう。僕が勝てればそれでいいが、勝負は五分……いや、向こうがいくらか有利だろうね」

『私の計算では、八割方あなたが敗北します』

「手厳しいな」

 クールボーイは苦笑する。しかし、サングラスの奥の瞳はまっすぐに未来を見たままだ。

「僕が負ければ、アンチェインは目論見通りあなたを取り込むだろう。向こうの世界にいるあなたの片割れとあなたを合体させ、ラクーナを滅ぼす力を手にする」

『そこまでが、私の描いた滅びのシナリオです。私にとっても、考えるだけで震えるほどの屈辱だ。あなたはどう、その展開を避けるというのですか』

「避けない」

 即答するクールボーイに、ダルフォモンは目を見開く。

「さっきまで僕はこの展開を、最悪のシナリオだと思っていた。でも、予想できているなら、それは最悪なんかじゃない。できることはある」

『できること?』

「ダルフォモン、あなたには、あなたが怯えるその屈辱を、味わってもらわなければいけない」

 クールボーイはゆっくりとサングラスを外し、不敵な笑みを浮かべた。

「――僕たちの“トロイの木馬”になってくれるかい」

『それをしたとして、勝算は?』

「ある。アンチェインはこの作戦を見抜けない。彼は僕を優しいと思っているから、こんなことが出来るだなんて、思わない」

『……見返りは?』

「あなたたちの新天地」

 ぴりり、と沈黙が肌を刺す。けれどそれは一瞬のことで、ダルフォモンは柔らかく笑い声を立てた。

『ええ、それが愛し子たちのためなら、私も戦いましょう』

「……ありがとう」

『ただし、その前にもう一山、ありそうですが』

 ダルフォモンの言葉と同時に、モニターが展開される。先ほどまでユウキたちがいた“守護者”の砦の付近に、大量の赤く光る人型――暴走NPCが集っているのだ。その数が百はくだらないことを視認して、ダルフォモンは息をついた。

『私の場所を見抜き、集まったようです。彼らの手で連れ去られたのでは、あなたの作戦は失敗する。彼らはあなた方でしか倒せませんが、あれだけの数がいては……』

「いや、問題ない。アルテア!」

 しかし、クールボーイは平然とした態度で、近くで倒れている人工知能の名前を叫ぶ。気を失っていたはずのアルテアは、あっさりと起き上がった。

「私も一応、気絶していたんですが」

「人工知能のキミにはないだろう、そういうの」

「空気を読んでいたんです。それで?」

「キミの演算機能を使わせて欲しい。D-STORAGEの管理者機能を使う」

「複数の相手との同時対戦ですか。AIのサポートで、一度に大量の相手と戦うと?」

「基本は私が戦う。キミの手はそこまでわずらわせないさ」

「……それで、何人対戦に設定しますか?」

「ちまちま戦っている時間は無いからね」

 そういってクールボーイはアルテアに視線を向けると、いたずらっぽくほほえんだ。

「一対百といこう」

「ユウキ! おい、ユウキ!」

「ん……むにゃ……」

「起きろって!」

「ん、え、ええ!!!!」


 目覚めると、視界いっぱいに、青空が広がっていた。
 ユウキはすぐにそこが、上空高くを飛ぶ、ヘヴィーメタルドラモンの手の中だと理解する。

「ちょ、なにこれ、どゆこと!?」

「こっちの方がどゆこと? だよ! いつまでもすーすー寝やがって!」

 おろおろと周囲を見回すユウキに、ヘヴィーメタルドラモンがわめく。見れば、彼女の隣にはサイキヨとファンビーモンがいて、竜のもう一方の手にはリュウタローと涼音もいた。大きなティラノモンとユキダルモンはD-STORAGEの中に入ったらしい。
 そばではアルテアが両腕を前に延ばし、水平姿勢で飛んでいる。ヒーローのような飛行姿勢だが、透明になったインビジモンが手に乗せて運んでいるだけなのは明らかだ、

「シショー! 一体何がどうしてこーなったの!?」

「どうしたも何も……」

 サイキヨは呆れ気味に、空を指さす。そちらを見たユウキは、目を大きく見開き、感嘆の声を漏らした。

「あ、あれって……」

 そこには巨大な獣のデジモン――ダルフォモンの姿があった。黄色の体毛は、さんさんと輝く太陽を受けて黄金に燃えている。
 ダルフォモン大きく羽を羽ばたかせれば、大地で光の点がいくつか輝いた。この世界に住むデジモンの一体一体が光の球に包まれて昇ってくると、ダルフォモンを取り巻くように旋回する。
 フローラモンが、ディノヒューモンが、パンジャモンが、インプモンが、ハグルモンが、カプリモンが、ミスティモンが、ベツモンが、リベリモンが、ターボモンが、マニューバモンが、飛んでいる。

「ダルフォモンが、決心してくれたんだ、ボクたちと戦ってくれるって」

「ウチら、みんなでラクーナに帰るんよー!」

「……が、がち?」

「たりめーだろ。いまさら何言ってんだよ」

「そっか……よかったあ」

 心底安心したようにへたり込むユウキに、ヘヴィーメタルドラモンは呆れて息をつく。
 と、地上で一条の光が輝き、直後に爆発音がした。ユウキは驚いて地表を見下ろす。

「え、なに、今の!?」

「……クールボーイさんが」

「最後の暴走NPCを倒した音、やね」

「え、ひとりで!?」

 こくこくと頷くサイキヨとファンビーモンに、ユウキはあっけにとられたように首を振る。

「で、でもこれで、NPCにつかまったデジモンたちも、みんな一緒にラクーナに行けるんだよね!」

「そうだ。だからしゃんとしろよユウキ、帰ったらいきなり戦いだからな」

「だ、だね! よーし、ユウキちゃんやったるぞ!」

「手の上で暴れろとは言ってねー!」

 ヘヴィーメタルドラモンの手の中で、ユウキは勢いよく立ち上がり、空の一点を指さした。
 見慣れたあの世界の景色は、この冒険を経た後ではどう見えるだろうか、それが楽しみで仕方ない。

「ありがとう、クロスコネクティア。そして――待ってろ、ラクーナ!」

 空が裂ける。少女の声が青空を越え、世界の向こう側にまで届いた。

To Be Continued……

……Yes, Full Dive!

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